出家に対するご相談は総務部人事局(043-420-7307)で受けておりますが、相談後には入山(出家)待機過
程に入ることになります。 入山待機期間は各自の根気と修行能力により異なります。 短ければ数ヶ月
、長ければ数年かかることもあります。
入山待機過程を終えた後3年の行者生活が終わ
った後に僧侶になるのです。 出家者の学歴は高卒以上であり、年齢制限は13才以上45才までとなってい
ます。 出家者は未婚でなければなりませんが、既婚者の場合には、法的な手続きを踏んで夫婦関係を整
理しなければなりません。 お釈迦様の法に頼って求道生活に集中しなければならない出家者の修行に妨
げとならないようにするためにです。 また、修行をするためには精神的、肉体的に健康でなければな
りません。 したがって身体的に欠陥がある方、前科者、信用不良者、病気を抱えている方は入山対象者
から除外されることがあります。
出家者の資格要件は次のとおりです。
(a)独身の身分
(b)年齢13才- 45才以下
(c)債務事項のない者
(d)犯罪事項のない者
(e)両親および保護者の同意
僧侶になるということは生老病死、喜怒哀楽の無常で有限な人生から抜け出し、不生不滅の変わりない
真理を求めて修行することです。 この道は限りなく大きく、尊い場でありながらも、それだけ辛苦
が絶えず後に続くことがあります。 しかしお釈迦様の弟子として、その真実の道理を尽くして、固い覚悟
と信心で一途に努力するならば、結局悟りの境地に入ることができるでしょう。
出家を希望する方は、入山待機過程の間、食堂や農場で宗団のもっとも大上長である
宗正大僧侶の入山許可が下りる時まで、これまでに積み重ねた俗世の染み付いた垢を脱いで捨てる修
行をすることになります。 入山待機過程を経て宗正大僧侶の入山許可が下りてはじめて行者生活を
することになります。
行者過程は入山した以後、受戒と法名を受けて僧侶になるまでの過程をいいます。 天台宗の僧侶にな
るための行者生活は3年を原則とします。 自身が選択した道に後悔がないか、今後、大衆と共に修行で
きるかを自ら点検して出家生活の基本規範を身につけることになります。
昼間には主に大衆食堂の供養準備、境内清掃、農場生活などの修行をし、夜には念仏意識および講院教育を
履修することになります。 講院では天台宗の所依經典である妙法蓮華経をはじめとして仏教学概論、律蔵、初
發心自警文、六妙法門などを学習することになり、講院教育が終われば禪房で明け方4時まで精進をします。
3年間の行者生活を終えれば、宗正大僧侶との面談を通じて
最終出家の有無が決定されます。 そして3.7日間の受戒教育を受けた後、受戒式と共に恩師
である宗正大僧侶から法名、度牒、戒牒、それから袈裟と法帽を受けることになります。
受戒式を終えて正式に天台宗の僧侶になれば、役目を受けて、昼間には仕事を
通じて修行し、夜には観音念誦を通じて修行する生活が始まります。
僧侶の役目は大きく農場、牧場、供養房などで雲力することと総務院などで行政を見ること、
そして仏教儀式を執典することに大きく分けられ、宗団内で行われるさまざまな仏事に参加すること
になります。 しかし、いかなる役目を受けても、夜には必ず觀音呪誦を通じて止觀修行に邁進
します。
また、信徒と僧侶が共に修行する夏安居と冬安居の期間は、各1ヶ月間の
修行をしながら、特に信徒と僧侶が共に修行する一ヶ月間の冬安居に続き、天台宗僧侶安居の結
制を持つようになります。 この僧侶安居には、宗正大僧侶の指導下に解除日まで約55日間の間
、觀音念誦修行に邁進することになります。
天台宗僧侶の生活はまさに布教と修行であり、救済ということができます。 億兆蒼生救済衆生の救仁寺
建設の理念のように、修行を通じて自ら悟りを得て、無限の慈悲心で衆生を救済する菩薩心を備えて実践
することが、さまに天台宗修行者としての本分といえます。
上ではお釈迦様の教えを求め
、下では数多くの苦痛を受ける衆生を済度するために、自身の全てのものを惜しまず献身的に奉仕するこ
とが修行者の自己完成であると同時に慈悲実践であるのです。